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芝居小屋の文化を現代に伝える劇場

明治20年代は村芝居の全盛期で、岐阜県東濃地方にも劇場形式の芝居小屋が60棟以上も建てられました。1894年(明治27年)に、地域の人々の尽力でかしも明治座も建てられました。地域の人が演じる芝居や旅の一座の公演などが行われ「娯楽の殿堂」として、村の人々に愛されてきました。建設当時のままの姿を保つこの劇場は、今もなお現役で、岐阜県重要有形民族文化財に指定されています。

かしも明治座 中津川市
かしも明治座 中津川市

かしも明治座の隅々から、芝居小屋の文化を感じ取れます。施設内には、さまざまな見どころがあります。舞台に向かって左側(下手)にあるのが「本花道」で、七三の位置に切り穴があります。舞台に向かって右側(上手)には「仮花道」があります。「スッポン」は、花道の73の位置にある切り穴でそこから登場する様子がスッポンのようであることからそう呼ばれています。

かしも明治座 中津川市
かしも明治座 中津川市

舞台の「娘引き幕」は、創建当時に下半郷各戸の主婦によって制作されたもので、各家の屋号の入った模様が染め抜かれています。舞台上にある「廻り舞台」の直径は、5.5m。舞台下の奈落で、人力で廻しています。

舞台の裏側の二階に「楽屋」があり、化粧をしたり、衣装を着替えたりしています。楽屋の壁には昔に公演をした役者の「落し書き」もあります。

かしも明治座 中津川市
かしも明治座 中津川市

舞台小屋の多くが取り壊されてしまいましたが、明治座は当時の姿を現代に伝える貴重な存在です。ガイドの解説を聞きながら舞台裏や楽屋、廻り舞台、奈落などを見学できます。(要予約。地歌舞伎公演、その他イベント期間中は見学不可)

住所:岐阜県中津川市加子母4793-2

TEL0573-79-3611 

営業時間:10001600 要予約

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