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民衆の熱意で育まれた地歌舞伎の芝居小屋

常盤座は、岐阜県中津川市高山地区、常磐神社の境内に建築された芝居小屋です。東美濃地方は、古くから地歌舞伎が盛んだったため、常磐神社の境内で歌舞伎が上演されていましたが、群衆が大勢集まることから一揆を警戒され、上演の際には警察の許可が必要でした。そこで自由に歌舞伎を上演できる場所を求めて、地域の人々が米を寄付し合い、1891年(明治24年)に待望の芝居小屋が完成しました。

常盤座 中津川市
常盤座 中津川市

建設当初は「常盤演劇場」と呼ばれており、楽屋の落書き跡から、1891年(明治24年)56日が舞台開きであったことが分かっています。

常盤座 中津川市
常盤座 中津川市
木造2階建て、間口17.1m、奥行き26.9mの立派な建物で、花道、回り舞台を備えた明治時代の劇場形式です。戦時中には軍の倉庫として使用され、一時は舞台機能が失われましたが、その後何度も改修され、1992年には屋根の葺き替え工事とともに回り舞台も復元されました。
常盤座 中津川市
常盤座 中津川市
常盤座では、現在も地区の歌舞伎保存会によって毎年恒例の定期公演を実施し、素人歌舞伎や子ども歌舞伎の上演が行われています。伝統芸能の継承と後継者育成のための「子ども歌舞伎教室」など、さまざまなイベントも開催して地歌舞伎の魅力を発信しています。歌舞伎を愛する地元の人々の熱意によってつくられた芝居小屋として、現在も伝統と文化を受け継がれています。

住所:岐阜県中津川市高山1026-1
TEL:0573-72-2144(問い合わせ先 福岡公民館)
営業時間:
[4月〜11月] 平日 9:00〜17:00/土日祝 9:00〜17:30
[12月〜3月] 平日 9:00〜16:30/土日祝 9:00〜17:00
定休日:月曜(祝祭日の場合は翌日)

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