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曲輪や土塁などの遺構、花崗岩の巨石群も

妻木城は、土岐市妻木町を見下ろす標高404mの城山山頂に築かれた山城です。土岐頼貞の孫・土岐明智彦九郎頼重が築いたとも伝わりますが、発掘調査の成果から実際の築城年代は15世紀中頃から後半と考えられています。当初は東西に長い縄張りの山城でしたが、1600年(慶長5年)の関ケ原の合戦の際、東美濃地方唯一の東軍であった妻木城主の妻木家頼により、西軍方の岩村城主田丸直昌からの攻撃に備えて防備を固めるために、土塁や堀切、横堀を普請して改築されました。その後、妻木氏は田丸氏を破った功績により7500石を領有しました。北側の山麓には御殿と呼ばれる領主の館と家臣の武家屋敷が築かれ、1658年(万治元年)の妻木宗家断絶まで陣屋として存続しました。

妻木城跡 土岐市
妻木城跡 土岐市

現在も山頂を中心に約200m四方の範囲に、城の区画である曲輪(くるわ)、石垣、土塁などの遺構が残されています。発掘調査の結果、この曲輪には建物の基礎となる礎石がいくつも発見されました。頂上には、「八幡神社」と書かれた祠もあります。

妻木城跡 土岐市
妻木城跡 土岐市

山中には、花崗岩の巨石がたくさんあります。南口駐車場近くの登山口からしばらく登り、太鼓櫓から見下ろすと花崗岩を割るための十字のくさび跡のある巨石が確認できます。また、花崗岩の巨石群には、「節理」という現象が見られます。これは、マグマが地下で冷えて花崗岩になるときに、収縮してできる等間隔の割れ目です。地表に現れたとき、風化浸食によって四角形のかたまりに分かれ、あたかも人が積んだ石垣のように見えます。

妻木城跡 土岐市
妻木城跡 土岐市

三の丸跡からの眺めは遠くの山々を見渡す絶景で、晴れた日には御嶽山も見られます。南口駐車場からは山頂まで徒歩10分。御殿跡の向かいにある駐車場に停めて登るルートは、山頂まで25分ほどかかります。こちらは険しい道なので山歩きできる格好で登りましょう。山頂の「妻木城跡」、山麓の御殿跡および武家屋敷は「妻木城士屋敷跡」としてそれぞれ県史跡に指定されています。

住所:岐阜県土岐市妻木町

TEL0572-57-6441 (問い合わせ先 八幡神社社務所) 

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